火星みたいな島——スペイン・ランサローテをめぐる②
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Museo de LagOmar
友達が「もう一つ、絶対見せたい場所がある」と連れて行ってくれたのが、ムセオ・デ・ラゴマール(Museo de LagOmar)だった
最初、しゃれたレストランかと思った。
島の伝統建築を発展させた建築家が、火山岩を利用して建てた住宅らしく、今はミュージアムとバルになっている。
洞窟と、白く塗った壁をそのまま組み合わせて作られていて、中庭には青いプール、まわりにヤシの木と白い階段。

面白いのが名前の由来だ。
『アラビアのロレンス』に出ていた俳優、オマル・シャリーフがこの家を買ったが、賭け事に負けて一度も住まないまま手放してしまったらしい。
だからMuseo de LagOmarと名前だけ残っているとか。
スペインでの食とアレルギーについて
余談だが、一緒に行った友達はセリアックのアレルギーを持っていた。
小麦のアレルギーで、日本ではあまり会ったことがなかったのだが、スペインで暮らしているとそれなりにいる。
本当に微量でも反応が出る人がいて、家にパンを持ち込めない、隣で小麦系のものを食べられない、というレベルの人もいるらしい。
海老や卵のアレルギーに比べて選べる食べ物が減るので、
もし持っている方が旅行するなら、現地の言葉で症状を説明したメモを一枚用意しておくといいと思う。
ランサローテ島の大地
翌日、国立公園に向かう途中でふらっと車を降りたところがあった。
名前はちゃんと覚えていないが、景色がよくて、茶色い山と変な形の岩がゴロゴロしていた。
スペインの青い海とビーチを想像するとイメージと違うかもしれない。
もちろん島だから海はちゃんとあるのだが、どこを見ても異世界感がある。
1993年に島全体が生物圏保護区に指定されている。

ティマンファヤ国立公園
この島を語るなら、やはりティマンファヤ国立公園は外せない。
1730年から6年続いた大噴火で、島は溶岩と火山灰に覆い尽くされたという。
公園は車で入れないので、駐車場に停めてバスに乗り換える。
モンターニャス・デル・フエゴ(火の山々)という名前のルートを進んでいくのだが、窓の外を見ながら「ここ、地球?」と何度も思った。
途中、ガイドが穴に枯れ草を放り込むデモンストレーションを見せてくれた。
数秒待つと、ボッと自然発火する。近づくと熱気がものすごい。
めらめらと燃えていく草を見ながら、地球って生きているんだ、と実感した。

園内のレストランでは、その地熱をそのままグリルに利用して肉を焼いていた。
ガスも電気も使わず、地面の熱だけで調理する。
ちなみにスペインには国立公園が16箇所あり、そのうち4つがカナリア諸島にあるという。
ランサローテもその一つだ。日本から行くとさすがに遠いが、もしヨーロッパに長期滞在する機会があるなら、都市観光だけでなく、こういう自然メインの国立公園も見に行く価値は十分にあると思う。
地元の人しか知らない場所
これは友達が「Yukaが好きそうな場所があるから」と連れて行ってくれた、Googleマップに載っていない洞窟の話。
頭に懐中電灯をつけて中に入っていく。
足元は石でぐらついていて、そもそも人が来るような場所ではない。
最初は外からの光がうっすら見えていたのに、進むにつれてどんどん真っ暗になり、最後は音も何も聞こえなくなった。

こういう洞窟に入るときは必ず知人に「行く」と連絡してから入るのが決まりらしく、友達もそれをしてくれていたので安心はできた。もちろん電波はない。
何かあってもここまで助けに来るのは相当大変だろうと思いながら歩いていて、ふと、地球に人間が70億人以上いても、まだ誰も来ないような場所がちゃんと残っているんだと感じた。
地元の人しか行かない、変な場所に連れて行ってもらうことが好きだ。
ガイドブックに載っている観光地を回るのも楽しいが、こちらのほうが正直記憶に残る気がする。
ワイナリー
翌日、最後の観光先はワイナリーだった。
想像していたようなブドウ畑ではなかった。
一本のぶどうの木ごとに穴を掘り、風から守るために片側だけ石垣を積んである。
この島の風の強さの中でぶどうを育てようと思ったら、こうやって一本一本を人力で囲うしかないらしい。

畑を見たあと小さなワイナリーで試飲させてもらった。飲んでみると意外とすっきりしていた。





